スイミングのジュニア選手が知っておくべきストレッチの基本

ストレッチといえば、プールに入る前の準備運動や上がった後の整理運動を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

たしかに、ストレッチはケガや事故の予防に欠かせません。しかしその効果は、ケガ・事故の予防だけではありません。ストレッチには筋肉の柔軟性を高め、可動域を広げる効果があります。

適切なストレッチは選手のパフォーマンスを高め、結果として記録を伸ばすことにも役立つものなのです。

この記事では、スイミングにおけるストレッチの役割や効果と、今日からできる入門ストレッチを図解つきでにご紹介します。

1.スイミングにおけるストレッチの役割とは

スイミングにおけるストレッチには、主に3つの役割があります。

  1. ケガの予防
  2. 疲労回復
  3. パフォーマンス向上
  1. ケガの予防
    ケガ予防のためのストレッチとは、準備運動と考えるとわかりやすいでしょう。
    「動的ストレッチ」に該当する準備運動には、運動前に体を温めることで関節の可動域を広げたり、筋肉の緊張をほぐしたりする効果があります。
    スイミングは全身を激しく使う競技です。関節や筋肉が固まったままの状態でトレーニングを始めるとケガや故障につながります。泳ぐ前にきちんと体を温めておく必要があります。

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    2019年4月2日
  2. 疲労回復
    疲労回復のためのストレッチは、泳ぐことで筋肉に溜まった疲労物質を、血流に乗せて分解・排出することを主な目的とします。
    プールから上がった後に整理運動をするのはこのためです。
    準備運動が「動的ストレッチ」であるのに対し、整理運動は「静的ストレッチ」と呼ばれます。

  3. パフォーマンス向上
    パフォーマンス向上のためのストレッチは、肩甲骨や股関節の可動域を広げることを目的としています。
    肩甲骨と股関節が柔軟に動けば、力を使わずに水を捉えることができるため、推進力のアップが見込めます。
    推進力が上がれば水をかく回数が減り、体力の消費を抑えることが可能です。
    その他にも、姿勢を良くし、ストリームラインを取りやすくする効果を見込んで行います。
『みんなの水泳手帳』MEMO

レース直前に静的ストレッチを行うことはお勧めできません。
静的ストレッチにはリラックス効果があるため、逆効果になる可能性があります。

2.ストレッチを行うタイミングはいつがよいか

前述の通りストレッチには以下の2種類があり、それぞれに行うタイミングと目的が異なります。

  • 動的ストレッチ
  • 静的ストレッチ
  • 動的ストレッチのタイミング
    動的ストレッチは体を温め、筋肉や関節の動きを良くすることを目的としているため、運動前に行います。軽いジョギングやウォーキングで心拍数を上げ、大きな関節から徐々に小さな関節を動かして体をほぐしていきます。

  • 静的ストレッチのタイミング
    一方、静的ストレッチは、疲労物質を流すことが目的であるため、運動後に行います。基本的な手順としては、可動域ギリギリまで筋肉を伸ばし、数十秒キープします。ゆっくりじっくりと筋肉を伸ばすイメージです。

ストレッチは日常的に行い、柔軟性を高めておくことが重要です。ぜひ自宅などで日頃から行ってください。準備運動や整理運動だけを行っていても、体の柔軟性が急にアップすることはありません。

3.どこでも誰でもできる超入門ストレッチ

子供の選手でもできる簡単なストレッチをいくつか紹介します。どれもパフォーマンスの向上に役立つものですから、日常のトレーニングメニューに組み込んでおくと良いでしょう。

広背筋のストレッチ

  1. 床にあぐらをかいて座ります

  2. 右足を横に伸ばします

  3. 左腕を上方向に上げ、体を右側に倒して10秒キープします

  4. 足と腕をスイッチして反対側も伸ばします

広背筋は肩甲骨の動きに関わる筋肉で、柔軟性を上げることでストロークが伸びたり、水をかく力が強くなったりすることが見込めます。

腸腰筋のストレッチ

  1. 床にひざをつきます

  2. 右足はひざをついたまま、左足のひざを上げ前に出します

  3. 右足の付け根を伸ばすように左足を前に出して10秒キープします

  4. 左右の足をスイッチして反対側も伸ばします

腸腰筋は脚の動きに関わる筋肉で、柔軟性を上げることで股関節の動きが良くなり、キックに好影響を与えます。

お尻のストレッチ

  1. 床に膝を曲げて座ります

  2. 両手をうしろにつき、右足を左足のひざのあたりで組みます

  3. 左ひざを曲げ、左足をお尻に近づけ10秒キープします

  4. 足をスイッチして反対側も伸ばします

お尻の筋肉も脚の動きに関わる筋肉で、柔軟性を上げることで股関節の動きが良くなり、キックに好影響を与えます。

4.まとめ

今回の記事では、スイミングにおけるストレッチの役割や効果、そして今日からできる入門ストレッチを図解つきでご紹介してきました。

ストレッチには、筋肉を温め関節の動きを良くする動的ストレッチと、疲労物質を流しリラックス効果のある静的ストレッチがあり、それぞれに行うタイミングが異なります。

また、日頃からストレッチを行い柔軟性を高めておけば、ケガの予防になるだけでなく、パフォーマンスの向上につながる可能性を高めることができます。

特に肩甲骨と股関節はすべての泳法で使われるため、日頃から柔軟性を高め、可動域を広げておくと良いでしょう。今回ご紹介したストレッチ今日はから実践可能です。トレーニングメニューに組み込んで、パフォーマンスの向上につなげてください。


~監修者からヒトコト~

TOMOMICHI.S
TOMOMICHI’S EYE(はり師/灸師/あん摩マッサージ師)
ストレッチを欠かすと疲労が溜まり、筋肉の質がわるくなります。筋疲労の回復が早い若い選手であっても、油断は禁物です。