スイミングの進級が遅い子の親に知ってもらいたい心得とは

月に一度の進級テストは親子ともにドキドキ。賞状やワッペンをもらって帰ってくるとやっぱり嬉しい! だけど、同じクラスの子はどんどん進級するのに、うちの子はいつまでたっても同じワッペンのまま……。

「うちの子はスイミングに向いていないのでは?」

なんて不安に感じることもあると思います。だからといって、上達しないうちに見切りをつけるのはまだ早いですよ!

スイミングスクールは運営会社の教育方針によって進級基準が異なるため、進級テストで重視するポイントが異なりますが、そのポイントさえ押さえることができていれば、泳ぎが完璧である必要はありません。逆に、泳げているように見えても、ポイントを押さえることができていなければ進級することはできません。

この記事では進級が遅れてしまう原因や、なかなか上達しないときにできることについて取り上げたいと思います。ぜひ最後までお読みいただき、今後の参考にしてみてください。

1.進級が遅いのはスイミングスクールが原因?

進級テストの日は、プールに行く前からなんだか緊張してしまいますよね。きっとお子さんも、ちょっとそわそわしていることと思います。そして、意気込んでプールに向かったのに、テストに落ちてしまって何だかガッカリ……お友達が進級していたりするとなおさらです。

このようなシーンに遭遇すると、なかには「うちの子はできているのに、コーチにきちんと評価してもらえていない」と考える保護者もいらっしゃいますが、実際のところはどうなのでしょうか?

スイミングスクールのコーチは何を基準に評価をしているのか、その評価基準をまとめると、以下の2点になります。

  • 進級テスト本番で評価項目をクリアできるか
    評価項目はスイミングスクールごとにホームページに開示されています。開示されていない場合は、たずねると個別に開示してもらえます。
    評価項目の内容は、例えば、クロールを習いはじめたばかりのクラスなら、「肘を伸ばして腕を回せているか」、「腕を回しながらキックを打つことができているか」など、具体的に設定されています。これらの項目を、進級テスト本番ですべてクリアすることを基準としています。
  • 普段の練習で上達している様子が見えるか
    担当コーチが普段の練習の中で「教えたことができている」、「注意したところが直せている」と判断すれば、進級テストで間違ってしまったり、完璧にできていなくても、進級させることがあります。
    進級テストには場慣れが必要です。普段は大勢に混ざって練習していますが、テストになると急にひとりぼっちになります。ひとりぼっちだと思うと、余計な力が入ってしまうもの。けれど、落ち着けばできるということが普段の練習でわかっていれば、場慣れしてもらうためにも進級させることがあります。

進級のしやすさは、通っているスイミングスクールの教育方針が「だいたいできていれば進級させる」方針なのか、「しっかりと基礎を固めた上で進級させる」方針なのかで変わってきます。また、多くの子供がつまづきやすい「特定の練習項目だけはしっかり固める」というスイミングスクールもあります。

つまづきやすい練習項目の例としては、蹴伸び25mクロール平泳ぎキックバタフライなどが挙げられますが、これらの項目は基礎がしっかりできていないと進級してもその先で苦労してしまうため、厳しめに評価することがあります。

そういった意味において、進級が遅い原因はスイミングスクールの評価基準にあるとも言えますが、目的はあくまで泳げるようになることですので、進級テストで少しくらい遅れをとっても大丈夫。毎週の練習にきちんと出席し素直に、そして一生懸命取り組む姿勢があれば、自然と進級していくものです。

2.進級が遅いことによるメリット・デメリット

それでは、思うように進級が進まない場合、どのような影響が考えられるでしょうか? 実は、進級が遅いことによる影響はデメリットだけでなく、反対に得られるメリットもあるんですよ。ここでは、そのメリット・デメリットの両方についてお伝えしていきます。

メリット
  • 基礎がしっかりと身に付く
  • 進級後の伸びが早い
デメリット
  • モチベーションが下がりやすい
  • 進級が遅れる分、月謝がかかる

大きなメリットとしては、繰り返し練習することで基礎をしっかり身につけられること。基礎が身につかないまま進級すると、新しい課題を習得する段階でまたしてもつまづきます。

例えば、クロールの息継ぎや、平泳ぎのコンビネーションなど。初期段階で繰り返し行う「蹴伸び」の練習などは、単純でつまらない練習に見えますが、ゆくゆくは全種目の習得時に影響する、とても大事な練習だったりします。

したがって習得に多少時間がかかったとしても、しっかりと身につけることができれば、そのあとのレベルアップやほかの泳ぎを習得する段階で、必ず役に立ちます。「蹴伸びでつまづいたけどクロールは泳げた」、「背面キックは苦手だけど、うつ伏せ種目は得意」など、どこか1ケ所でつまづいているケースはとても多く、その課題をクリアできたらとんとん拍子で進んでいった、なんていうこともよくある話です。

また、コーチも人の子ですので、頑張っている子供には「なんとか合格させてあげたい」と気にかけてしまうものです。

問題は、どうしても子供自身のモチベーションが下がりやすくなってしまうこと。10歳前後の子供の成長はやる気によって大きく左右されることがよくありますので、ぜひご家族でサポートしてあげてください。

3.スイミングスクールで進級が遅い場合の対処法

それでも、「基礎が大事だというのはわかるけれど、なかなか進級できないでいるのはやっぱりつらい」「進級できないのなら、月謝がもったいないからやめた方がいいのでは」というのが、保護者としての本音ですよね。

でも、ちょっと待ってください。進級が遅くても、家族がサポートできることはたくさんあるんですよ。大切なのは子供のモチベーションを維持すること。上達するためには少なくともスイミングスクールを続ける必要があります。以下に、子供のモチベーションを維持する、家庭でできる3つの対処法をお伝えします。

  1. 小さな目標を毎回設定する(目標の細分化)
    テストや試験はだれにとってもプレッシャーや不安を感じるものです。プレッシャーや不安が大きいと、できるものもできなくなってしまいます。したがって、プレッシャーや不安の大きさが上達の妨げになっているケースでは、ご家庭で目標を細分化し、立てた目標を毎回クリアしていくことでモチベーションの維持を図ります。
    立てる目標は、コーチのアドバイスをヒントにすることはもちろん、保護者が見て感じることでもOKです。ポイントとしては、目標は1つだけにすること。クリアできたら褒めてあげ、次の目標を立てましょう。できなければ繰り越してもかまいませんが、2回連続で達成できなかった際は、別の目標を立てます。
  2. 練習するたびにできた!を増やす(成功体験の積み重ね)
    どんな小さなことでも、できた! という成功体験を積み重ねて、自信を高めてあげます。人間の脳は不思議なもので、「自分はできる」と思いこむことによってできることが増えていきます。目標の繰り越しを2回以上しない理由は、成功体験を積むことが目的だからです。成功体験を多く積むためにはまず質より量を重視し、「何ができたか」よりも「できた」こと自体にフォーカスします。
  3. 挑戦したことを評価する(相対評価ではなく絶対評価)
    スイミングスクールに通いはじめた理由は、周りの子供より早く進級するためではなく、子供がきちんと泳げるようになることだと思います。誰かと比較して評価するのではなく、子供自身の小さな成長を褒めてあげてください。
    良い例)「先週できなかった〇〇ができるようになっていたね」
    悪い例)「〇〇君より〇〇が上手にできていたね」

そのほかの対処法としては、スイミングスクールに通う時間(曜日)を変えてみる、という方法も有効です。週に一度、同じ曜日の同じ時間のクラスに通っているとすれば、コーチも同じはずです。そこで、通う曜日を変えコーチが変わることで、いままでと違う視点で指導してもらえる可能性があります。

カリキュラムや指導方についてのマニュアルが同じでも、指導経験、競技経験、子育て経験など、コーチ個人のもつバックボーンとパーソナリティによって、子供との接し方は異なるものと考えるのが自然です。同じスイミングスクール内でも、担当コーチが変わることで壁を超えられるかもしれません。

そして、最終手段としては、スイミングスクールを変えるという方法も考えられます。もし子供がいま通っているスイミングスクールに馴染めないのであれば、思いきってスイミングスクールを変えてみるのもひとつの方法です。スイミングスクールを変えることで早く上達できるようになったり、反対にこれまで通っていたスイミングスクールの良さに気づくこともあります。

スイミングスクールでは、ほぼ一年を通して無料の体験教室が開催されています。夏休みや春休みなど長期の休み期間には、ほとんどのスイミングスクールが短期水泳教室を行っています。手続きの期日までに休会を申し込めば、退会ではなく休会措置が取れるところがほとんどですので、スイミングスクールを変えることを検討する際は、すぐにやめてしまわずに、いったんほかのスイミングスクールとの相性をみてから判断することをおすすめします。

まとめ

スイミングスクールでは、少しつまづいても、進級が遅くなっても大丈夫。誰もがすべての過程をスムーズに通過していくわけではありません。進級が遅い期間は、そのあとのために基礎をしっかり固めている期間です。ちょっとしたきっかけでコツを掴み、どんどん習得して行く子供も珍しくありません。ご家庭でもできるサポートを、ぜひしてあげてください。

また、「子供の能力を伸ばしたい」という気持ちはコーチも一緒ですが、評価のポイントはスイミングスクールによって異なります。不安を感じたら、スイミングスクールに問い合わせてみてください。担当コーチから専門的なアドバイスがもらえたり、解決策を一緒に考えてもらえますよ。ただし、保護者独自の判断基準で進級を要求することは、子供のためにならないということを心得ておきましょう。

何はともあれ、子供が泳ぐことを楽しめるようになることが一番! 子供の進級が遅くても、家庭でプレッシャーを感じることがないように、ママ・パパも肩の力を抜いてくださいね。そして、子供と一緒に上達する気持ちで、寄り添ってあげられるといいですね。

ABOUTこの記事をかいた人

NATSUKI.O

競泳もOWSも、選手もマネージャーも、数多くの経験をしてきました。ビジネスでも全国レベルで闘いたい!マルチタスクライターです。