スイミングで肩に違和感を感じたとき知っておきたい故障を防ぐ方法

スイミングは全身を使うスポーツですから、スイミング後に体が筋肉痛になることがありますよね。しかし、肩に長く続く違和感を感じたら注意が必要です。スイミング特有のスポーツ障害である「水泳肩」の可能性があります。

今回の記事ではスイミングで肩が故障する原因と、水泳肩の治療法や故障を予防するための方法について解説します。

1.スイミングで肩に違和感を感じたら

スイミングは他のスポーツに比べ、肩を酷使するスポーツだといえます。特にクロールやバタフライは腕を回すことによって推進力を生み出すため、肩の関節に大きな負担がかかります。肩に負担がかかりすぎると靭帯や腱がこすれて炎症を起こし、この症状を「水泳肩」と言います。そのため、スイミングで肩に違和感を感じたら、まず水泳肩を疑う必要があります。

水泳肩の症状は、初期段階ではスイミングのときに肩関節の違和感を感じる程度ですが、悪化してしまうと肩関節の後ろ側を中心に痛みが出始めます。さらに進行すると日常生活でも痛みを感じるようになります。

また水泳肩の状態で無理なトレーニングを続けると、炎症を起こす箇所によっては上腕の骨と肩甲骨をつなぐ腱が断裂してしまう「腱板断裂」を引き起こすこともあります。腱板断裂になると腕の上げ下げや肩を動かしたときに激しい痛みを感じるほか、筋肉が萎縮してしまって左右の腕の長さが変わってしまう可能性もあります。

スイミングを続けていて、筋肉痛とは違う肩の違和感を感じたら、まずは水泳肩を疑ってみる必要があります。

2.スイミングで肩が故障する原因

水泳肩は肩に強い負荷がかかる状態が続くことによって起こります。例えばクロールは体幹の安定しない水中でストロークを行います。また、水から抜いた腕を再び水中に入れる際、肩関節が内側に回転した状態になっています。この不安定な体幹と肩関節が内側に回転した状態によって筋肉と腱板が擦れ、擦れた状態が長く続くことによって炎症を引き起こすと水泳肩になってしまいます。

スイミングで故障するのは肩だけではありません。肩だけでなく腰や膝を傷めることもあります。例えば平泳ぎやバタフライは息継ぎの際に顎が上がっていると腰がかなり反ってしまいます。この状態が続くと腰痛の原因になることがあるため、息継ぎの際にはできるだけ顎を下げると腰の反りを抑えることができます。

また、キックによって強い推進力を生み出す平泳ぎにも「平泳ぎ膝」と呼ばれる膝関節の炎症があります。膝の曲げ伸ばしや回転により膝関節周りの靭帯や腱に負荷がかかり、炎症を起こして関節痛になる症状です。入念なストレッチや脚の筋力アップで防ぐことができます。

いずれにしても違和感や痛みは体からのSOSサインです。ちょっとおかしいな? と感じたら無理をせずにトレーニングを休むことも必要です。

3.スイミングで肩が故障したときの治療法や予防法

スイミングで肩に違和感を感じたら、まずは無理なトレーニングを中止し安静にすることが大切です。炎症が軽ければ肩を安静にし、消炎鎮痛剤の服用や湿布を貼ることで症状が軽減することがあります

軽いリハビリ運動も効果的です。スポーツ障害を扱う鍼灸治療院などで指導を受けるのもよいでしょう。また泳ぐ際のフォームを確認することや、練習量を見直すことも有効です。とにかく肩を休めることを第一に考えましょう。

もし症状が進んで、炎症が悪化してしまった場合は鎮痛剤や湿布では対処しきれないことがあります。その場合は炎症を抑える薬を関節に注射するなどの治療が必要です。また、腱板断裂の際には症状に応じて内視鏡手術を行うこともあります。ここまで症状が進んでしまうと完治に時間がかかってしまうため、水泳肩にならないよう普段からの予防が重要になってきます。

水泳肩を予防するには、まず体幹を安定させることが重要です。体幹が安定していないとクロールの息継ぎの際にフォームが乱れて肩や腰に負担がかかります。体幹をしなやかにしておくことはフォームを整えて肩にかかる負担を減らすだけでなく、効率よく体を使うことにもつながります。したがって日頃から体幹トレーニングをしておくことが大切です

肩周りの柔軟性も必要です。スイミングの前後には肩周りから指先にかけて入念にストレッチしておくことが効果的です。特に肩甲骨周りを柔軟にしておくと腕や肩の可動域が広がるため、水泳肩を予防できるだけでなく、スムーズなストロークも可能になります。また、胸の筋肉の柔軟性や、普段の姿勢も肩の動きに影響を与えます。日頃背中が丸まっていることの多い人は筋肉が固まっていることが多いので注意が重要です。

まとめ

他のスポーツに比べると故障が少ない印象のスイミングですが、肩や腰を傷める可能性は十分あります。

スイミングをしていて肩に違和感を感じたら、まずは練習量を減らして肩を休めることを心がけ、それでも痛みが続くようなら早めに病院で診てもらうことが大切です。また、水泳肩を予防するために日頃から体幹トレーニングや肩周りのストレッチをしておくことも必要です。

いずれにせよオーバーワークは禁物です。無理をせず自分のレベルに合ったスイミングをすることが、肩の故障を防ぐ一番の方法だと言えるでしょう。