自然の中でスイミング!OWSに参加してみよう

近年、競技人口・知名度ともにジワジワ上昇している「OWS」をご存知でしょうか?

OWSとは、「Open Water Swimming」の頭文字をとった略称で、海や湖などの大自然を舞台に時間を競って長距離を泳ぐ水泳種目です。2020東京オリンピック大会でも「マラソンスイミング」という名称で、採用が決定しています。

今回は、いま密かなブームのOWSについて詳しく解説していきます。初心者にも参加しやすい大会情報もご紹介しますので、これを期にぜひOWSにチャレンジしてみてください。

1.OWSとは

OWSの定義

公益財団法人日本水泳連盟のホームページでは、以下のように説明されています。

海や川・湖といった自然の水の中で行われる長距離水泳種目です。水質、天候、潮汐等、自然条件の影響を受けることから、競泳とは異なる技術や知識が必要となります。

引用:財団法人日本水泳連盟 HP

試合で競う距離は大会ごとに異なり、数百mもあれば10km以上におよぶ場合もあります。また、個人種目とは別にリレー種目もあり、大会の規模や会場の条件などによってさまざまなシチュエーションのなかでおこなわれます。

ちなみに、オリンピックでは男女とも10kmが採用されており、トップレベルの選手はこの距離をたったの2時間前後で泳ぎます。

日本と諸外国の違い

OWSの歴史を紐解くと、ヨーロッパやアメリカ、オセアニアでは古くから親しまれているスポーツでした。日本では、「遠泳」という比較的近い水泳種目が存在します。遠泳とOWSとの違いは「国際水泳連盟の定めた競技規則」にのっとるか否か、という点にあります。

近年では、東京オリンピックの決定やトレーニングの一環として競泳選手がOWSを取り入れるようになったことを受けて、大会数が増えました。また、そのことによって認知度も上がり、リピーターを中心に人気が徐々に高まってきました。

水着と泳法に関する規則

競技規則と聞いて、水泳競技経験者であればまず気になるのが水着だと思います。国際水泳連盟(Fédération Internationale de Natation:仏)の競技規則にのっとるということは、FINA認定を受けた水着を着用する必要があります。

泳法には制限がありません。したがって、顔を上げたままの平泳ぎでも、クロールから突然背泳ぎに変えても問題ありません。トップレベルの選手では、波にとられにくいように工夫をこらしたクロールで泳ぐ姿が多く見受けられます。

OWSの魅力

OWSの魅力は、なんといっても大自然の中で泳ぐ気持ちよさにあります。海の中でウミガメや魚の大軍に出くわしたり、透明度抜群の海中をキラキラと反射する太陽の光を楽しんだり。泳ぎながら目にする光景は、整備されたプールとも一線を画す非日常の連続です。

その一方で、OWSならではの過酷とも言える一面も避けては通れません。大自然が舞台ですので、水温はスイミングプールのような30℃前後の快適環境とはいきません。その上、気温・湿度・潮の流れは常に変化し、天候も晴天であるとは限りません。

「マラソンスイミング」と呼ばれる所以

レースを制するためには攻略のための戦略を必要とし、集団の中では心理戦が繰り広げられます。「前半からスピードに乗る」か「後半のために力を温存する」のか……スピードの緩急をもっての駆け引きはまさしく水中のマラソン。さらには、潮の流れを読んで泳ぎ方を変えたり、接触を伴う激しい競り合いなども日常茶飯事です。

このように、競技としての激しい側面があることも確かですが、「頭を使って泳ぐおもしろさ」や「同条件で泳ぐことがない非再現性」も、OWSならではの魅力。経験値が上がってくると、「環境に左右されないタフさ」までもが身につくおまけつきです。このおもしろさに、今後、ますますOWSに魅了される人が続出する予感がします。

2.OWSに必携!10の道具

OWSをはじめるときの必携ツール10点がこちらです。

身につける道具
☑ 水着
☑ ウェットスーツ
☑ キャップ
☑ ゴーグル
☑ 緊急浮力体
身をまもる道具
☑ 飲料水
☑ 日焼け止め
☑ ビーチサンダル
☑ 防寒用バスタオル
☑ 日よけ

身につける道具

  • 水着
    水着は体に密着するものを選んでください。ズボンタイプやセパレートタイプの水着は論外。競泳水着のメーカー各社から販売されているOWS用の水着であれば、競泳水着としての性能をベースに、海という環境や長時間泳ぎ続けることを考慮のうえ開発されているので安心です。

  • ウエットスーツ
    公式大会では、水着同様FINA規則に準拠するウエットスーツを着用する必要があります。水温20℃を境に着用できるスーツの規定が変わりますのでご注意を。18℃を下回ると着用が義務づけられます。いずれにしても、体温保持とクラゲ対策のためウエットスーツの準備が必要です。

  • キャップ
    キャップはシリコンタイプを選ぶと熱が逃げにくく頭まわりの体温の保持をしやすくなります。大会では安全管理や着順判定のため、いずれかのタイプのキャップが支給されることがあります。ふだんからシリコンタイプもメッシュタイプも使えるようにしておくとよいでしょう。

  • ゴーグル
    ゴーグルは顔に接触する部分にゴムがついているものを選ぶとフィットしやすく、レンズの内側に水が入りこんだり、外れてしまう可能性を減らせます。競泳選手がよく使っているゴムのないタイプは、ほかの選手との接触時にケガをする危険がありますのでおすすめできません。

  • 緊急浮力体
    いざというときに空気を入れて使用します。ウエストポーチ型でコンパクトに装着することができます。公式大会での装着は認められていませんが、初心者向けの大会では許可されている場合もあります。万が一に備えて、ふだんから使用する練習をしておきましょう。

身をまもる道具

  • 飲料水
    塩分を含んだ水を飲む、紫外線のダメージを受ける、などの理由から飲料水は必須です。

  • 日焼け止め
    「ウォータープルーフタイプ」の日焼け止めを全身に塗り、体力の消耗を防ぎます。

  • ビーチサンダル
    砂浜を歩いての火傷、貝殻・ゴミを踏んでのケガ防止にビーチサンダルが役立ちます。

  • 防寒用バスタオル
    レースでは想像以上に体温が奪われます。体全体を覆える防寒用バスタオルをご用意ください。

  • 日よけ
    屋外での待機時間が意外と長くあります。日よけ対策は必須です。
みんなの水泳手帳MEMO

大会会場では、参加者用に日よけテントが設置されていることがあります。
その場合も、数には限りがありますので、自分で準備をしていきましょう。

3.OWS参加への3つのステップ

OWSへ参加するためには3つのステップがあります。

  1. OWSのスイムレッスンに参加する
  2. OWS検定を受け、級認定を受ける
  3. OWS大会を探し、参加申込をする

① OWSのスイムレッスンに参加する

「水泳競技経験はあるけれど、OWSはとっかかりがわからない」という声をよくお聞きします。人気上昇中とはいえ、まだ「知る人ぞ知る」域を出ないOWS。

スイミングクラブの中でも特殊な部類のプログラムであるため、担当コーチはその道の経験が豊富であることがほとんどです。クラブによっては、プールを離れて海や川へ泳ぎに出たり、緊急時のヘルプサインや立ち泳ぎなど安全面の指導もおこなっています。

これからはじめたいという方は、OWSやトライアスロンのスイムレッスンをおこなっているスイミングクラブを探すことからはじめましょう。

② OWS検定を受け、級認定を受ける

OWSのスイムレッスンに参加した次は「OWS検定」を受験し、日本水泳連盟から級の認定を受けましょう。大会によっては、認定級を求められるものがあります。既定の級に合格すると、日本水泳連盟OWS検定の認定がなされ、認定番号付きの認定証と認定カードが授与されます。

認定は5段階に分けておこなわれています。以下に、それぞれの級の合格基準を抜粋しました。

1級
1500m自由形 22分30秒以内 *短水路
400m個人メドレー+両側呼吸クロール 完泳
2級
1500m自由形 30分00秒以内
200m個人メドレー 完泳
3級
30分泳 クロール主体、平泳ぎ・背泳ぎも泳ぐこと
4級
15分泳 クロールか平泳ぎ主体
5級
10分泳 クロールか平泳ぎ主体

(それぞれの級で泳法およびターン方法について条件あり)

検定に合格することによって級保持者でなければ出場できない大会等に参加できるようになり、OWS活動の幅が広がることになります。

5級からのスタートであれば難易度も高くありませんので、ぜひチャレンジしてみてください。

OWS大会を探し、参加申込をする

検定を合格したならば、いよいよ最終ステップです。

「海で泳ぐのは怖かったけれど、検定合格を目指して練習をしたことで、合格後には自信を持って海に出られました。」とは、OWS大会初参加者の声。

大会は、気候が比較体穏やかで波の安定している関東圏の海を中心に、観光も楽しみな地方の海、また周回プールを利用した大会など、環境を活かした特色豊かな計画が目白押しです。

数あるOWS大会の中から、初心者でも参加しやすい大会をご紹介いたします。

館山OWSフェスティバル

千葉県館山市の北条海岸でおこなわれる大会です。

  • 個人・ペア・リレーで1km〜5kmのレース
  • 参加費は1km/6,000円〜
  • 個人レース出場者には、参加賞にTシャツ
  • 連続出場者は表彰
  • 定員数600名超の大規模レース
  • 初心者からトップスイマーまでが参加

一般社団法人千葉県水泳連盟HP 「第23回館山OWSフェスティバル」

東京サマーランドOWS大会2019

東京都あきる野市の東京サマーランドでおこなわれるプール施設での大会です。

  • 個人・リレーで600m(ジュニア)〜10kmのレースあり
  • 参加費ジュニア2,000円〜/大人6,000円〜
  • 10kmのレースでは本格的なOWS体験が可能
  • 海に出る前の肩慣らしにおすすめ
  • 参加賞にオリジナルTシャツ

一般社団法人NOWS HP

その他、新潟県佐渡ヶ島や沖縄県石垣島、東京都三宅島、鹿児島県屋久島などの離島観光スポットでも大会は開催されています。夏の旅行がてら、綺麗な海を泳いでみるのもよさそうですね。

まとめ

OWSはハードルが高いように思われますが、一歩踏み出せば誰もが続けられる生涯スポーツです。大自然に触れながら泳いでみると、日頃の悩みもちっぽけに感じることができそうです。

ただし、自然の力をあなどると大きなしっぺ返しを受けることになります。海や川で練習をおこなう際は決して一人でおこなわず、また、緊急浮力体を装着することを忘れないでくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。泳力と体力の鍛錬に余念のない方は、さっそく大自然の中で泳ぐOWSに挑戦してみてはいかがでしょうか?

(*今号の写真素材は、一般社団法人NOWSより提供を受け使用しています)

 

~監修者からヒトコト~

YASUHIDE.N
YASUHIDE’S EYE(一般社団法人NOWS理事長)
綺麗な海でのレースは最高に気持ちがいいですよ。
コース取りしだいでプールのライバルたちに勝てるチャンスあり!

ABOUTこの記事をかいた人

NATSUKI.O

競泳もOWSも、選手もマネージャーも、数多くの経験をしてきました。ビジネスでも全国レベルで闘いたい!マルチタスクライターです。