スイミングはダイエットに効果的? 水中運動とダイエットの関係を知る 

「ダイエットをしなければ……。」

運動不足が続いていたり体形が気になってきたりすると、このように思い始めますよね。けれど、できることならば時間を上手に使って効率よくダイエットしたいもの。

そんな方におすすめなのが、スイミングスクール・スポーツクラブのプールで行う水中運動です。プールでの水中運動は、陸上での運動と比べて短時間で多くのカロリーを消費できますよ。

この記事では、ダイエットに有効な水中ならではの環境要因、ダイエットに必要な消費カロリーの計算方法、そしてダイエットが効果的に行える水中プログラムについて、詳しく解説いたします。

1.ダイエットに有効な水中ならではの環境要因

ダイエットに効果的な3つの要素

水中での運動は、陸上とは異なる3つの要素により、効果的なダイエットが可能となります。

  1. 水温
  2. 水圧
  3. 抵抗
  1. 水温
    スイミングスクール・スポーツクラブのプールの水温はおよそ30℃。人は体温より低い環境に身を置くと、生存するための熱を生産します。つまり、プールの中にいるだけで脂肪を燃やすことになるのです。

  2. 水圧
    水圧は血流を促進する効果があります。水圧の高さは水深に比例するため、プールの底に足をついた姿勢では、足先へより高い水圧がかかります。この状況が足先に滞留している血液を押し流します。これらは単にむくみが解消されるだけではなく、代謝を上げることにもつながります。

  3. 抵抗
    水中で受ける水の抵抗は、陸上で受ける空気抵抗の約10倍。このため、同じ動きをしたとしても、陸上と比べて約1.5倍、条件によってはそれ以上多くのカロリーを消費できることになります。

運動を長く続けるための大事な要素

水中での運動は、体への負担が少ないことにも特徴があります。ダイエットを目的に始めた運動が原因で、ケガや故障をしてしまうと元も子もありません。

近年、手軽に始められる運動としてランニングやウォーキングを始める人が増えていますが、筋力が衰えている人が急に走り始めると、足腰や膝に過度の負荷を与えてしまう可能性があります。

負荷を数値化すると、例えば、陸上でのウォーキングが関節へかける負荷は、体重の1~2倍になります。これに対し水中では、逆に体重の10%~最大60%程度まで、負荷は軽減されます。

私たちが水中に立つと浮力が働き、肩部までの水深では体重の約10%、剣状突起部(バストライン)では約30%~40%、臍部(さいぶ:へその位置)では約50%~60%にまで軽減して関節にかかる負担が減少します。

  • 陸上でのウォーキング:体重の1~2倍の負荷
  • 陸上でのジョギング :体重の3~4倍の負荷

引用:健康コラム詳細-公益財団法人兵庫県健康財団

上記の説明からも、水中では運動の過負荷によるケガや故障につながる可能性が低くなるということが言えると思います。

ただし、水中がいくら負荷が軽減されると言っても、ケガや故障が0になるわけではありません。「昔取った杵柄」で以前と同じ感覚で運動を始め、逆効果にならないよう気をつけてくださいね。

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2019年4月2日

2.ダイエットに必要な消費カロリーの計算方法

水中運動の「METs」とカロリー計算式

水中で運動を行うと、具体的にどのくらいカロリーを消費できるのでしょうか? 

国立健康・栄養研究所の「身体活動のメッツ(METs)表」によると、水中における主な身体活動のメッツは次の通りです。

水中での身体活動メッツ
水中歩行(ゆっくり、楽な労力)2.5
背泳ぎ(レクリエーション)4.8
平泳ぎ(レクリエーション)5.3
アクアビクス5.5
クロール(ゆっくり、ほどほどの労力)5.8
クロール(普通の速さ、きつい労力)8.3

「メッツ」とは、身体活動の強度を表す単位です。消費カロリー量を計算する際に用います。そして、このメッツを次の計算式にあてはめることで、消費カロリーが計算できます。

消費カロリーの計算式

消費カロリー = メッツ × 実施時間 × 体重 × 1.05

消費カロリーと運動量の関係

脂肪を1㎏減らすためには、7,000kcal分のエネルギー消費が必要とされています。

例えば、1か月で1kg減らそうと思うと、7,000kcal ÷ 30日 ≒ 233kcal となるので、1日あたり240kcal以上消費する必要があります。

2kg~3kgを減らそうとするならば、単純に2倍~3倍のエネルギー消費が必要です。

1kgの脂肪は約7,000kcalに相当します。ですので、単純に1kgの脂肪を減らすためには、約7,000kcalを今までの運動・身体活動量と飲食習慣からマイナスにすれば達成できるということになります。

引用:減量プランニングシート-日本健康運動研究所

ここで気になってくるのが、水中運動をどの程度行えばよいのか、という点です。

水中歩行をメインとする際は、ほどほどの速さのメッツは4.5、さらに速く歩くと6.8となります。効率よくカロリーを消費したい人は、少しだけ速く歩くことを意識してみてください。

消費カロリーを一気にかせぎたいときには、バタフライで泳ぐことが有効です。バタフライを泳いだときのメッツは13.8です。ただし、そのぶん疲労も大きくなりますが。

メタボリックシンドロームと運動量の関係

メタボリックシンドローム解消のためには、有酸素性運動を用いて週に 10メッツ・時以上の運動を行うことを目標にするとよいとされています。

(前略)以上から内臓脂肪減少のための運動には、有酸素性運動を用いて週10メッツ・時以上の運動量を加えることから目標にすると良いと考えられます。ただし週当たりの運動量が多いほど、より内臓脂肪が減少しますし、週10メッツ・時以下の運動量であってもまったく内臓脂肪が減少しないわけではありません。

引用:内臓脂肪減少のための運動-e-ヘルスネット

同じ運動量でも体重によって消費できるカロリーは変わってきますので、自分のペースで行える水中運動の種類を見つけてくださいね。

そして、運動したからといって食べ過ぎには注意ですよ。消費カロリーよりも摂取カロリーの方が上回ってしまうと意味がありません。

スイミングスクールやスポーツクラブでは、会員同士のコミュニティができてくるとエクササイズ後のお茶会や飲み会などのお誘いもあると思います。

コミュニティそのものは、実は楽しく運動を続けるための重要な要素です。コミュニティには積極的に参加しつつ、食事会は運動効果を損なわない程度にお付き合いができるといいですね。

3.ダイエットが効果的に行える水中プログラム

運動を継続すると筋肉量が増え、筋肉量が増えると基礎代謝が上がります。基礎代謝が上がると、普段の生活でもカロリーの消費量が上がります。体にとって好循環の環境が整う、ということですね。

それでは、スイミングスクール・スポーツクラブのプールプログラムを利用するとすれば、どのプログラムを選ぶと良いのでしょうか?

以下に、3つの代表的なプログラムについて説明いたします。

  1. アクアエクササイズ
  2. 水中ウォーキング
  3. スイミングサークル
  1. アクアエクササイズ
    アクアエクササイズは、プールの中で軽快な曲とともに、インストラクターがリードする動きに合わせて体を動かすエクササイズです。陸上にはない水中の浮遊感や、水の抵抗を利用した運動は、ダイエット以前に純粋に楽しむことができますよ。

  2. 水中ウォーキング
    アクアエクササイズについていけるか不安であれば、まずはマイペースで水中ウォーキング。身体の動かし方で運動強度をある程度調整することも可能です。アクアエクササイズ同様、水中に潜ることがありませんので、プール初心者にとっては始めやすい水中運動です。

  3. スイミングサークル
    1回でおよそ1時間。泳ぐペースは泳力によってコースが分けられていることがほとんどです。泳げることが前提となるため、「昔泳いでいた」または「レベルアップしたい」という人向けです。泳ぐことが習慣化できたならば、ぜひマスターズ水泳やOWSへ挑戦してみてください。

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2019年4月18日

4.まとめ

今回の記事では、ダイエットに有効な水中ならではの環境要因、ダイエットに必要な消費カロリーの計算方法、そしてダイエットが効果的に行える水中プログラムについて、詳しく解説いたしました。

ダイエットは期間が短ければよいということではありませんが、スイミングスクールやスポーツクラブのプールプログラムを利用すると、比較的早く効果が得られるというメリットがあります。

運動不足が続いていたり、体形が気になってきたら、まずはスイミングスクール・スポーツクラブでお気に入りの水中プログラムを見つけてください。

また、気の合う仲間のコミュニティができると、長続きしないダイエットも続けやすくなりますよ。


~監修者からヒトコト~

NAOMI.S
NAOMI’S EYE(ロス五輪競泳元日本代表)
水着になるのはヒトの目が気になる……という声も聞かれますが、トライしている人の関心事は皆自分のコト。まずは一歩を踏み出してみましょう!