スイミングの息継ぎ習得に必要なボビングって何?

スイミングの初期段階で行うことがある「ボビング」という練習方法をご存知ですか?

水泳を習得する過程で難しいと感じる動作の一つに、息継ぎがあります。ボビングはこの息継ぎのコツをつかむための練習です。

ボビングが難なくできるようになれば息継ぎの不安がなくなるため、水に対する恐怖心がやわらぎます。

この記事では、ボビングの練習のポイントや家庭でできるボビングの練習法などについてご紹介いたします。

1.そもそもボビングとは

セントラルスポーツの公式サイトでは、スイミングスクールの練習紹介の中で、「ボビング」について次のように書かれています。

ワンポイント☆アドバイス

ボビングは、水中でバランスを取りながらカラダをコントロールすること、口や鼻から自然に息を吐き出し連続呼吸することを目的に行います。ボビングができるようになれば、プールのどこに行っても呼吸ができるという安心感が芽生え、その後の練習の上達につながります。

引用元:スイミングスクール練習紹介 – セントラルスポーツ

ボビングは、「水上で口から息を吸う」「水中で鼻から息を吐く」動作を、水中でジャンプしながら繰り返し行うことが基本です。

陸上の呼吸では、「鼻で息を吸って、鼻から息を吐く」ことがほとんどだと思います。しかし、プールで同じことをすると、鼻から水を吸い上げてしまいとんでもなく痛い思いをします。この痛みは、鼻の粘膜の痛覚が、吸い上げた水によって刺激されることで起こるものです。

このような痛い思いをしないためにも、水泳では「口で息を吸って、鼻から息を吐く」ことを呼吸の基本とします。したがって、この呼吸の基本を覚えることが、水泳を習得する最初の関門ともいえるでしょう。そしてボビングは、この呼吸を覚えるための重要な練習ということになります。

このボビングと似た目的の練習に、「バブリング」という動作があります。バブリングは水に顔を浸した状態で、鼻と口から息を吐く練習です。

スイミングスクールでは、ボビングの前段階としてバブリングを習得することが多いようです。これらの動作でのつまづきは水泳への苦手意識が芽生えてしまう原因の一つでもありますが、コツをつかんでさえしまえば、その後の泳法の習得への大きな自信につながります。

2.ボビングの練習で見る2つのポイント

スイミングにとってボビングが重要な練習であることがわかったところで、練習を行う際の2つのポイントを見ていきましょう。

  1. 水中での姿勢
    まずは水中の姿勢から。ボビングは不安定な水の中でジャンプを繰り返し行います。子供は体重が軽いため、余計に不安定です。そのような状況の中で安定したジャンプを繰り返すためには、両足を揃えて勢いよく底を蹴り出すこと。そして、勢いよく蹴るためには水中でしっかり両膝を曲げることです。これが一つ目のポイントです。

  2. 水中での息の吐き方
    次に息の吐き方です。ポイントは、息を細く長く吐き続けることです。一気に吐き出してしまうと、その後は息を止めるしかなくなります。そうなると余分な力が入り、水中での動作がコントロールしづらくなってしまいます。細く長く吐き続けるには、やはり鼻から息を吐くことがポイントになります。

息をたくさん吸うためには、息をしっかり吐き出す必要があります。吸う前にしっかり吐き出すことができれば、肺に空気を溜めやすくすることができますよ。

水中の姿勢と呼吸のタイミングがマッチしてくると、もう怖くはありません。「溺れる」ことの原因は、この両方ができずパニックに陥ってしまうことにあります。スイミングの目的には「溺れないようになる」こともあると思います。姿勢と呼吸、練習の際はこのポイントを押さえるといいでしょう。

スイミングスクールで溺れる事故に遭わないために(再編集)

2019年3月28日

3.家庭でできるボビングの練習法

前章で説明したポイントを、家庭で補習的に練習できる方法をお伝えしていきたいと思います。

お風呂でできるブクブクパッ

ここでできることは、「バブリング」までです。

最初に、子供自身が手を鼻の下に当て、鼻から息を吐いてみます。吐いた息が手に当たることが確認できればOKです。これで、意識して鼻から息を吐くことができるようになりました。

次に、洗面器に水をため、そこへ息を吐きながら顔を水へつけてみましょう。顔をつけてから息を吐くのではなく、息を吐きながら顔をつける順序がポイントです。顔をつけた状態で息を止めてしまったら、鼻先を指でツンツンと指し示し「ここから吐くんだよ」と教えてあげてください。

鼻まで水につけることへの抵抗感が強いようであれば口までにして、口からブクブクと息を吐き出します。そして、顔を上げるときは「パッ」と言葉を口に出して上げるようにします。慣れてきたら鼻をつけることに挑戦し、最後は顔を全部つけてやってみましょう。

言葉だけで説明するのは、実は難しいことです。実践するときは、まずお父さん・お母さんが実演して見せてあげてくださいね。そうすると、わかりづらい動作もいくらかは伝わりやすくなりますし、お子さんの不安も少しやわらぐかもしれません。

注意

  • 長時間の入浴にならないようご注意ください
  • 湯舟に頭の先まで潜ることは避けてください

室内でできる両足ジャンプ

ジャンプの練習は、室内でも可能です。両膝をしっかり曲げてしゃがんだ状態から真上へ蹴り出します。ポイントは両足同時に地面を蹴り出してジャンプすること、また蹴り出した力が床にきちんと伝えられていることです。

これを遊びで行ううちに身体が覚えると、水中でも同じ動作ができるようになってきます。ただ、陸上ではどうしても「鼻から息を吸って、鼻から息を吐く」通常の呼吸になってしまいますので、ここでは「身体を思ったように動かす」ことに焦点を絞って行うのがよいでしょう。

機会があれば、親子で一緒にプールに行き、遊びの中で水に親しめるといいですね。子供が楽しく呼吸を覚えられる方法の一つに「水中じゃんけん」という方法もありますよ! その延長で「水中あっち向いてホイ」などができるとさらに楽しめます。

『みんなの水泳手帳』MEMO

  • 公共のプールをご利用の際は、周囲への配慮が必要です
  • 施設によっては、潜水行為を注意されることがあります

4.まとめ

今回の記事では、ボビングの練習のポイントや家庭でできるボビングの練習法などについてご紹介いたしました。

水中と陸上では、息の吸い方と吐き方が異なります。大人は頭で理解できても、それを子供に言葉にして伝えることは至難の業です。これらを効率よく練習する場所がスイミングスクールですが、家庭で補習的に練習を行う際は、実践して見せてあげ、楽しみながら行ってくださいね。

子供はいったんコツをつかむと、その後はどんどん上達していきます。つまり、ここでの「できた!」という自信と達成感が、その後の泳法の習得につながる大切な足がかりになります。ぜひ、早い段階でボビングをマスターし、次世代の日本を代表するスイマーを目指してください!

~監修者からヒトコト~

NAOMI.S
NAOMI’S EYE(ロス五輪競泳元日本代表)
ボビングは水泳の入口であるため合格するまでに意外と時間がかかる場合がありますが、あせらず見守ってあげてくださいね。千里の道も一歩からです。