スイミングスクールのアルバイトを始める前に知っておきたい情報まとめ

得意な水泳を活かして、スイミングスクールでコーチのアルバイトをしてみたいと考えたことはありませんか?

でも、「いままでたくさん練習してきたけれど、人に教えるとなると不安に感じる」という人も多いと思います。たしかに、「泳げる」と「泳ぎを教える」は、まるっきり意味が違います。そして、現場ではケガや事故を起こさないよう、常に緊張感をもって職務にあたる必要があり、疲労は体に限ったことではありません。

しかし、たいへんな分やりがいも大きく、教えた子供たちが上達していく姿を間近に見ることができるのは、この仕事の醍醐味といえます。もし、顔を水につけることを怖がっていた子供が、自分の指導がきっかけでスイミングスクールを毎週楽しみにしてくれるようになったら、こんなに嬉しいことはありませんよね。

そこで今回は、いまスイミングスクールのアルバイトに興味がある人へ、そのお仕事の魅力と、始める前に知っておきたい情報を詳しくお伝えします。

1.スイミングスクールのアルバイトに向いている人とは?

スイミングスクールの指導対象の大半は子供です。その年齢層は幼児から小学生までと幅広く、一度に大勢を相手にします。泳ぎが得意であることに越したことはありませんが、速く泳げるから向いている、というわけではありません。
それでは、どのような人が向いているかというと、

  • 子供とのふれ合いが好きな人
  • コミュニケーションの取り方が上手な人

と、言えるでしょう。

ふだんから子供と接する機会がある人にはなんでもないことですが、そうでない人にとってはこれが意外とたいへんなことだったりします。

とくに子供が小さい場合、理解できる言葉が少なく、集中できる時間も短いため、大人が使う言葉を子供がわかる言葉に言い換え、ジェスチャーも加えて飽きさせない工夫をすることが必要です。

それでは、スイミングスクールでアルバイトを始めるのに、資格はいるのでしょうか?
そもそも、資格はあるのでしょうか?
結論からいうと、スイミングスクールでアルバイトを始めるのに資格はいりません。

水泳指導者の資格そのものは、公益財団法人日本水泳連盟が発行する公認資格があります。資格の種類は、目指す指導者のレベルごとに、数段階にわけられており、順序立てて取得していく必要がありますが、水泳指導者資格の入口である「基礎水泳指導員」を取得すると、公益財団法人日本スポーツ協会(旧日本体育協会)が発行する公認スポーツ指導者の専門科目も取得することができます。

それでは、なぜ資格もなくアルバイトが始められるかというと、それは勤務するスイミングスクールのOJTを通じて仕事が覚えられるからです。OJTの進めかたはスイミングスクールによってさまざまですが、水泳指導は未経験であってもアルバイトをしながら学ぶことができるというわけです。

未経験者はアシスタントコーチとして、メインコーチと一緒に入水しながら学びます。安全確認、指導順序、指導方法、言葉づかいなど、メインコーチがどのように行っているか、レッスンの補助を行いつつ学びます。

慣れないうちは戸惑うことも多いと思いますが、いずれ自身がメインコーチとして立てるよう、早く習得できるといいですね。

2.スイミングスクールのアルバイトの実態は?

スイミングスクールの時給

スイミングスクールのアルバイト代は、未経験者であってもベテランであっても、さほど大きな格差はありません。時給は地域にもよりますが、1,000円前後からのスタートが多く、レッスン中は「入水手当て」が加算され時給が上がる仕組みになっていることがほとんどです。

監視業務などに続けて入る場合は「入水手当て」がつきませんのでご注意を。また、賃金の支払い対象には、レッスン前後にかかる準備や後片付け、着替えに要する時間も付随業務として含まれます。

スイミングスクールの勤務時間

アルバイトの勤務時間です。スイミングスクールが一日の中で最も忙しくなる時間帯は、およそ午後の2時から6時くらいまでになります。幼児のクラスから始まり、選手コースが始まる前までがピークとなり、1つのクラスが1時間だとして、合計4時間の中で勤務にあたることになります。これらの時間帯以外にも、午前中のクラスと夜のクラスなどがあり、本人のスキルとスイミングスクールの事情が勘案され、勤務する時間と曜日が決まります。

勤務時間を決める際には、連続の入水時間に注意が必要です。例えば、合計4時間の連続入水も、希望をすれば勤務可能かと思いますが、それだけ連続しての入水は、体力の消耗を考慮して求められることはありません。通常は、2時間または3時間に収まるよう調整をしていきます。

コーチとしての経験がはじめての人は、一生懸命練習に励んできたころの印象から、スイミングスクールのプールは水温が暑いものと思い込んでいる人が多いのではないでしょうか?

しかし、指導で入水するようになると、入水中は手振り身振り、手取り足取り、声を張って職務にあたりますが、それでも体温は奪われていき、いままで暑いと感じていたプールが寒いと感じるようになります。勤務時間を長くしてできるだけ稼ぎたいと思う気持ちもわかりますが、長く続けるのであれば一日の入水時間をセーブすることも必要です。

3.スイミングスクールのアルバイトの業務内容は?

コーチの役割

多くのスイミングスクールでは、まず座学の研修を受け、アシスタントコーチとしての心得を理解してから入水します。未経験者は、メインコーチのそばで泳力の低いクラスから経験を積み、自身の水泳経験と照らし合わせながら入水できるクラスの種類を増やしていきます。

言葉がまだ理解できない幼児から、身長が伸び体重も増えた児童まで、あるいは、水に顔をつけることが目標のクラスから、4種目のマスターを目標とするクラスまで、幅広く指導できるようになると重宝されますよ。

そして、指導現場ではカリキュラムの基本は順守しつつ、出席する人数や子供の個性に合わせて進め方をアレンジすることが日常茶飯事です。また、子供同士のトラブルやおトイレの対応なども含め、常に周囲のコーチと連携しながら臨機応変にレッスンを進めていきます。

なかでも、幼児の水慣れクラスは注意が必要で、足が届く深さであってもおぼれる子供が出てきます。ありがちな例としては、プールサイドに腰を掛けた状態で頭から落ちる事故です。このような事故を未然に防ぐために、コーチは常に担当クラスの全員に目を配りながらレッスンを進めていきます。

水の事故は取り返しのつかない事態に発展する可能性があります。そうでなかったとしても、おぼれた体験が水泳を嫌いにさせてしまうことにもなりかねません。そういったことから、たとえコーチが未経験者であったとしても、安全には細心の注意が求められます。

スイミングスクールで溺れる事故に遭わないために(再編集)

2019年3月28日

付随する業務

レッスンに付随する業務には、クラスの入れ替わりのタイミングでコース設定をし直すこと、ヘルパーの付け外しや道具の後片付け、出席者の点呼など、限られた時間と空間の中でレッスンがスムーズに行えるよう、各人が目配り気配りしながら行っていきます。また、スイミングスクールによりますが、入水前に体操場へ行き、子供たちの準備体操を行ったりもします。

レッスンに前後してプール室内で行うお仕事には、監視業務と清掃があります。これらはの業務はスイミングスクールと本人との任意の範囲で行うことになります。スイミングスクールのアルバイト=泳ぎを教えること、と考えていた方には、教えること以外にも多くの仕事があり、それらが切れ目なく行われていることを知っていただけたのではないでしょうか?
もし、ギャラリーから見ていてたいへんそうに見えなかったとしたら、それはコーチのチームワークがいい証拠といえますね。

さて、学生の皆さんは、授業がお休みの土日等を利用して、ふだん入水することのない時間帯のクラスの経験が積めるといいですね。ただし、合計入水時間が長時間、そして連続入水時間が長時間になることがないように調整しましょう。

また、「人手が足りないから」と入水の依頼を善意で受けることは素晴らしいことですが、オーバーワークで体調をくずし、自分のシフトに穴を空けてしまっては意味がありません。突発的なお休みは、同僚のみならず会員にも迷惑をかけることにもなりますので、この点も考慮する必要があります。

余談ですが、スイミングスクールには採暖室があります。レッスン後は入水して冷えた体を温めつつ、先輩コーチに教わる絶好の機会です。

サービス業の側面

スイミングスクールのコーチといえば、どうしても入水しているシーンばかりを思い浮かべてしまいますが、サービス業であることもお忘れなく。メインコーチを任されるようにまでなると、入水以外の時間に会員とのコミュニケーションが必要となる場面が出てきます。

会員とのコミュニケーションは、入水中の指導と同じくらい大切な業務です。例えば、進級に関わる説明を求められたときには、会員が納得できる説明ができること、信頼関係を築くことが大切です。

このように、スイミングスクールでのアルバイトでは、「泳ぐ」から「泳ぐことを教える」へと立場が変わり、同じプールにいても、いままでとは目線がまったく異なるということに気づいていただけたかと思います。これらの経験は、社会に出てからもきっと役に立つことでしょう。

職場の先輩コーチも、アルバイトを一過性のものとしてではなく、貴重な社会経験として前向きに取り組める人だと教えがいをもって接してくれると思いますよ。

まとめ

得意なことを仕事にできることは素晴らしいことですね。けれど、得意と思っていたことも立場が変わると、見える景色が変わります。それでも、スイミングスクールのアルバイトでは、あなたが得意とする水泳が大きなアドバンテージになります。

いま現場で活躍しているベテランコーチも、もれなくアシスタントコーチから出発しています。あなたの指導をきっかけに、スイミングスクールへ通うことを毎週楽しみにしてくれる子供が増えるとうれしいですね!